120119 FXセミナー今井雅人氏 (外為どっと)

【 今回のまとめ 】
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2012年今年の予測 → 珍しく各国がバラバラ
・ ×欧 : 根本的に解決してない。3~4月にもう一波乱。「ユーロ共同債」発行が出口?
・ 〇△日本 : 、エコカー良い。復興需要で建設、資材が伸びる。
・ 〇米 : 雇用と住宅に上昇の兆し。良くなりそう。
・ △中国 : 金利下がり始めた。加熱していた不動産も下落し始めた。ちょっと注意が必要。
・ 〇豪 : ファンダメンタルズはいい。中国がこけると影響を受けるかも。

為替相場
・ 欧はこの1、2ケ月は、いったんポジション調整で戻るのでは。
・ 豪ドルは、欧が落ち着いたらもう一段上げもありえる。
・ 米ドル円はどっちつかず
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【 経済状況 】

☆ 日本・・景気割といいのでは。
・ 復興需要20兆円。1次~3次補正予算。今度4次。公共事業、道、建物。建設、資材。
・ 車 エコカー。生産が間に合わない状況。①エネルギーに対して不安感②エコカー減税という政策。ダイハツ、スズキ、L30km。ハイブリッド。2.5%成長。

☆ 欧・・きつい
・ ポイント→「国債の利回り(金利)が下がらない限り、財政赤字を解決できない」
ギリシャ10年債35%、ポルトガル15%に上がってきている。
今よりひどい状況が3,4月に来る。負のスパイラル。
* 緊縮財政→景気悪い→税収下がる→財政赤字が減らない
* 金利下がらない→利払いが増える→税金から支払う→財政赤字が減らない。
* 格付け下がる→金利上がる→また格付け下がる。

ユーロの出口は?(※この2つのどちらかが起きないと欧は悪いまま。。)
①格付けB以下の国々がユーロ離脱。(これは極端)
「ユーロ共同債」を出す(ただし当座の出口で根本解決ではない。)
国別にバラバラの利回りを一つにして、安定させる。
国債が落ち着く→他の金融市場も落ち着く→ユーロも上がる。
仏はOKだが、独が反対。国民が怒っている。「何で能天気な奴らを助けなくちゃいけないんだ。」メルケル首相もNoと言わざるを得ない状況。独の経済状況は悪くない。

☆ 米・・今年悪くない。
・ 回復に向かっている。欧とのタイムラグがある。
・「変化の兆し」は「雇用」と「住宅」に注目
①失業率8%→7%まで下がったら・・「本物」
②住宅価格が下げ止まり、上がり始めたら・・「本物」
・ 景況感回復。FRBは2013年まで金利上げないと言っていたが、調整されるかも。
・ 景気が良くなってきたらオバマさん有利。「俺がやってきたことが結果が出ている」と。
・ QE3(金融緩和)はもうやらないだろう。
・ ユロドルは下がる方向

☆ 中国・・伸び悩み
・ 車が売れなくなった。08,09年・前年比30~40%増→11年・2.5%増にとどまる。(それでも販売台数は世界1位で、1千万台を超えている。)
・ 金融政策
不動産価格が上がると、資産効果で消費に回る→物価も上がる。
景気の過熱を冷やすために金利を上げてきたが、反転しはじめた。少し変な様子。
・ 預金準備率(≒金利)も下げた。
・ GDP13%増→8%増に落ちてきている

【 為替相場 】
☆「サインに気付け」
「普通なら動くはずの材料が出たのに動かない」(格付けが下がったのに下がらない、など)
= 売られ過ぎのサイン
逆のニュースが出るとパーンと反転することがある。(これは結構当たる。)

☆ ユーロ円
この1カ月ポジション調整で戻すことはあっても根本的にはまだ悪い。

☆ドル円
日本は経常黒字なので介入しても円買い、ドル売りがじわじわ貯まる。上げ下げどっちでもない。

☆ 豪ドル
底堅い。もうちょっと上がるかも。。ユーロが落ち着くともう一段、82円まで行ってもおかしくない。中国がこけたら豪もやばいけど、この1カ月は強いだろう。
・ RBAの追加利下げはないだろう。4.75%あたり最後の2回利上げは余分。上げすぎた分を戻して4.25%で落ち着いている。

☆ カナダは動かない。スイスフラン、ランドも動かない。

☆ 新興国は普通?

原油・・当分横ばい。イラン問題。原子力。中国の伸び悩みで、原油も抑えつけられている。中国が落ちないと原油も上がるだろう。

・・米国が良くなると一回下がるかも。頭打ちか。

【 Q&A 】
ギリシャユーロ離脱はありえる。
・ ユロ円介入も過去に一回あったのでありえる。そのユーロで南欧の国債を買うことはありえる。
・ 金融業界の人が怖いのは日銀じゃなくて財務省と金融庁。
・ 2015年に日本は経常収支赤字になる・・?
どこまで円高になる?
「環境」が変化し始めたら円安に変わる。60円、50円に行ったから、という数字の問題ではない。
相場変動「要因」の変化に注意しておく。具体的には、①経常収支の推移、②長期金利JGBの動き

【 政治について 】
・ 議員を減らしてスタッフを増やすのが一番いい。議員722人もいらない。400~500でいいんじゃないか?国会議員にスタッフが必要。官僚、役人に勝てない。政党が持つべき。官僚主導には勝てない。党が変わっても構造上が変わらないと一緒。議員は地元の式典、パーティーなどに時間取られる。役人は一日中勉強している。知識量は負ける。
・ ねじれになると何も通らない。衆参どちらか一つでいいんではないか?憲法を作ったときに二院制がねじれることを想定してなかった。
・ 予算は衆議院が優勢。予算関連法案は衆議院優勢じゃない。当時は赤字国債を出す必要がなかった。「特例公債法案」予算が執行できない。制度的な欠陥がある。
・ 議員は1期生、2期生との壁は厚い。年齢、能力より「当選回数」が尺度。永田町は不思議な世界。権力闘争。